【ニュース解説】業務スーパーで回収事故!冷蔵ケースが温度逸脱!!

ニュースの解説

おはようございます!シータケ@食品工場です。

今日は「ニュース解説」ということで、消費者庁のホームページに投稿されていた表題の件について解説していきます。 この事故は業務スーパー京ヶ瀬店において冷蔵ケースが壊れており、冷蔵の規格である10℃を上回る常温で販売してしまった事故となっております。この事故がどれぐらいやばいのか!?みなさんわからないですよね。

この記事を読んだら、この事故の「ヤバさ」がわかります。
そしてこのような事故を防ぐために食品流通業者がどのような管理をしているのか解説していきます。

工場の最前線で仕事をしている立場から事情を解説させていただきますので、食品安全について理解を深めていただければ幸いです。

対象の商品

まず最初に対象の商品やロットの情報になります。冷蔵ケースが壊れているので、かなりの数になります。そして「ロットの情報:不明」、販売期間が2024年8月1日から9月2日までということで、一か月以上壊れたまま放置されていたということがわかります…。

リスクは何か

リスクはずばり「食中毒」です。健康危害が発生する可能性があります。

一般的に食品は流通温度を逸脱した場合、「死に至る」可能性もありますので、絶対に流通温度を確保しなければなりません。

容器包装詰めの食品においては「冷蔵」にすることで食中毒菌を防いでいる商品も存在しており、その食中毒菌の中には「ボツリヌス菌」も含まれています。

冷蔵の商品を常温流通させてしまってこのボツリヌス菌が増殖した食品を食べた場合、重篤な症状を引き起こします。

詳細には過去にこちらの記事でも説明しているので参照してください。

食中毒事故の一例

かの有名な雪印の食中毒事故(リンク)も同様です。

この事故も停電で冷蔵庫が管理温度を逸脱したことにより「黄色ブドウ球菌」が増殖して毒素を産生し(エンテロトキシン)、しかもそれを見て見ぬふりをして製品化したために食中毒が発生しました。

(雪印のサイトより)

この事故のヤバさとは?

このような背景があるなかで、「事件が発覚するまで1か月以上かかっている点」がヤバいです。

温度が逸脱した場合、その日のうちにすぐに気づき、対処出来ることが普通です。逸脱している時間が数時間であることがわかれば、製品の範囲も狭く、リスクも低くなります。

食品メーカーもお客様が持ち帰ることを想定して数時間冷蔵から逸脱しても問題がないように商品を設計しているからです。

以下は一般的な冷蔵ショーケースの温度チェック表の一例です。

一日のうち朝(スタート)、昼(中間)、夜(終業時)で温度をモニタリングしていて、逸脱していた場合にすぐに気づけるような仕組みになっているのが一般的です。

店長や責任者はこのチェック表を確認して捺印をするわけですが、一か月間も気付くことが出来ていなかった、ということでこのシステムが崩壊していたことがわかります。

店長も含めて従業員の温度管理の重要性を教育する必要がありますね…

しっかりしている会社は一般のお客様にも見える位置にこのチェック表を掲示していますので、スーパーに行ったときに見てみてください!!

工場の冷蔵庫の運用も同様

食品工場の冷蔵庫も同様で、一日のうち朝(スタート)、昼(中間)、夜(終業時)で温度をモニタリングしていて、逸脱していた場合にすぐに気づけるような仕組みになっています。

工場によっては温度逸脱した場合、守衛室で警報が鳴るように設定しておいたり、温度を管理するサブスクのサービスを利用している工場もあります。面白いですね。(温度っち、リンク

まとめ

スーパー、卸店、配送などの食品の流通に携わる業者は流通温度帯に関して最新の注意を払う必要があり、その温度管理記録が保証として求められます。

食品は常に人の命にかかわる商品を販売しています。従業員にもそのことを周知して同じ事故を引き起こさないようにしてもらえたらうれしいですね!!

今日は以上です!!

さよならー!

コメント

タイトルとURLをコピーしました