おはようございます!シータケ@食品工場です。
今日は「【異物】食品工場で金網を使うといつか異物混入します」ということで解説していきます。
一般的にはご存じではないことも多いと思いますが、食品工場では様々なところで食材を「ろ過(メッシュに通している)」しています。
この「ろ過」に金網を使うと針金が異物混入して痛い目を見ます。
工場だけではありません、家庭でも金網のざるを使うと、いつか針金が口に刺さる日が来ます。
この記事に目を通せばなぜ針金が発生してしまうのか、また代わりに何を使えばいいのか理解することができます。
では、さっそくですがそもそもなぜ食品工場ではろ過をする必要があるのか、その背景について理解していきましょう!!
ろ過する目的
なんでろ過するの?ってことだと思いますが、これは主に以下の2つの目的です。
①異物を取り除くため
万が一食材に異物が入っていた時に、目の細かいメッシュを通して捕集することで、最終製品に異物が混入することを防ぎます。また、定期的にメッシュをモニタリングすることで、製品に問題がないことを保証します。
(例)たとえばメッシュにゴキブリが捕まっていたら、最終製品には入ってないけど商品としては出荷できません。定期的に問題が無いことを確認することで、問題の対象となる製品を区切ることができます。昨日見た時はゴキブリが捕まってなかったから製品はOKだけど、今日の製品は全て廃棄する、等。
➁食材を均質化するため
たとえばケーキを作ったりするときに粉がだまにならないようにふるいにかけたりしますよね。これと同じで、食材にばらつきがあるときにメッシュを通して均質化したりします。
結論:金網を使ってはいけない理由
格子の編み込まれている部分が摩擦でいつか切れるからです。
構造上、何か食品を通して物理的なストレスがかかっている中で金網と金網がこすれ、いつか切れます。
異物混入を防ぐために設置していた金網から異物が発生して事故を起こすというジレンマです。
株式会社奥谷金網製作所のサイトより(リンク)
【発生防止】パンチングメッシュを使おう!!
じゃあどんなメッシュを使えばいいのか?!ということになりますが、代わりに「パンチング」のメッシュを使ってください。
パンチングのメッシュは一枚の金属の板を「打ち抜く」ことで穴をあけています。
金網のように編み込んでいませんので、金属と金属がすれる部位が存在せず、針金が脱落して異物混入するリスクが極めて低いです。
株式会社奥谷金網製作所のサイトより(リンク)
【流出防止】金属探知機を入れろ
工場の製造の都合でどうしても金網を使用しないといけない場合もあると思います。この場合は「金属探知機」や「軟X線検査機」を入れて針金が万が一混入したとしても発見できるような環境にしておきましょう。
実際にテストピース(動作確認のサンプル)として針金を使うと良いです。
以下が金属探知機の一例です。
こちらは軟X線検査装置の一例になります。
回収事故も起きている
直近では「社会福祉法人よさのうみ福祉会」が製造・販売したビスケットに針金が混入して回収事故となっています。
詳細は消費者庁のリコールサイトを参照
明日は我が身です。絶対に金網は使わないでください。
まとめ
いかがだったでしょうか。このように食品工場では「パンチング」のメッシュで製造ラインを設計することが一般的になってきています。
これは食品工場だけではなくて、飲食店でもご家庭でも同様です。
・麺をゆでたあとに使っている「ざる」ですが、金網のものを使用していませんか?
・その金網は折れて脱落していませんか?
・赤ちゃんが食べるうどんをゆでてそのざるで湯切りしていませんか?
ご家庭での異物混入を考えるきっかけとしてもらえれば幸いです。
今日は以上になります。さよなら!!!
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