【微生物】大腸菌群を検査して加工場の衛生環境を調べよう

微生物

おはようございます!シータケ@食品工場です。

今日は「【微生物】大腸菌群を検査して加工場の衛生環境を調べよう」ということで解説していきます。

私たち食品事業者は衛生的な環境で食品を製造する義務があり、大腸菌群がこの衛生度を示す指標の一つと言われています。

では、この大腸菌群とはいったい何者でしょうか?

この記事を読めば「大腸菌群」を指標に工程を衛生的に保つその仕組みについて理解が出来ます。

大腸菌群とは

大腸菌群は「大腸菌を含む乳糖を分解してガスを発生させる菌の総称」で、一般的に「糞便の汚染」を示す一つの指標として知られています。

食中毒の原因の一つに「糞便の汚染」が関与しており、「大腸菌群」の菌数がこの糞便の汚染の指標となっています。

(ただし、土壌などにも一部この菌群は存在しますので、土壌が付着している野菜などは検査した場合陽性になることもあります。)

オージーフーズのホームページより

したがって、そのまま喫食するような食品の場合、この「大腸菌群」は「陰性」であることを食品衛生法で求められています。

もし仮にこのような商品から大腸菌群が検出された場合、「食中毒のリスク」があります。食品衛生法のガイドラインに違反ということで、商品は消費者庁に連絡して「リコール」(回収)する必要がありますので、注意が必要です。

大腸菌群の検査方法

検査方法は大きく分けて2種類存在しています。

製品を検査する

製品を対象に一般的な大腸菌群の検査培地を使用して、製品に大腸菌群が混入していないことを確認します。
(株式会社アテクトのサイトより)

製品の検査で大腸菌群陽性であった場合、製造工程のどこかで大腸菌群が混入しておりますので、原因を調査しましょう。


ふき取りキットで工程を検査する

製造工程で怪しいところがあればふき取って検査を実施しましょう。

従業員の手袋、設備、容器、エプロン、調理器具、さまざまな箇所が汚染されている可能性があります。

特に私の経験上は「台の布巾」は汚染度がかなり高いです。使ってすぐに捨てればいいのですが、何日も人が手で触って、一日の最後に洗ってまた翌日使うなど繰り返している場合は大腸菌群が陽性になっている可能性が極めて高いです。

以下のようなふき取りキットを使用し、気になる箇所をふき取って上記の培地で検査することで任意の箇所の汚染状況について調査を実施することができます。

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保健所が抜き打ちで検査している

製造業者が違反していないか保健所が計画的に各社の製品を抜き取って検査を実施しています。令和4年度の結果は以下のリンクから確認することができます。

リンク

この結果によれば、実際にとある業者のアイスクリームから大腸菌群が陽性で検出されており、法律違反ということで回収命令が出ています。

上述したような台布巾などを使って工程を拭いたりしている場合、そこを起点に汚染されている例も見受けられます。よく注意して検査しましょう。

まとめ

消費者庁のサイトにはリコールの一覧が載っていますが、ここにはよく「大腸菌群が陽性だったため」などの理由で回収される例がいくつかあります。

リコールの例(リンク)

大腸菌群が陰性であるように工程を管理して商品の保証をとることはとても大変だと思います。

しかしながら、お客様が食中毒を起こさないように衛生的な商品をお届けするためには大切なことであり、万が一ご指摘が来た時にも大腸菌群が陰性であった事実が工場を守る一つの事実になります。

しっかりと管理して良い商品を世の中に供給していきましょう!!

今日は以上です!!

さようなら!!

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