おはようございます!シータケ@食品工場です。
今日は「ニュース解説」ということで、表題の件について解説していきます。 この事故はかの有名な551HORAI(株式会社蓬莱)の「豚まん」「チルド豚まん」に樹脂片が混入した事故となっております。この事故がどれぐらいやばいのか!?みなさんわからないですよね。
この記事を読んだら、この事故の「ヤバさ」がわかります。
そしてこのような事故を防ぐために食品流通業者がどのような管理をしているのか解説していきます。
工場の最前線で仕事をしている立場から事情を解説させていただきますので、食品安全について理解を深めていただければ幸いです。
対象の商品
対象の商品は以下の通りです。(詳細は551HORAIのサイトを参照)
二日間の製造分が該当することがわかっています。
回収の理由
回収理由は以下の通りです。どうやら玉ねぎをカットしているラインの「水はね防止カバーの樹脂」が欠損して混入したようです。
大阪 浪速区の工場で豚まんのあんの中にビニール片が入っているのを従業員が見つけたとのことでした。
551HORAIのサイトを見ますと、以下のような製造の様子がうかがえます。きっと従業員の方が発見してくださったのでしょう。ありがたいことですね。
混入した「水はね防止カバーの樹脂」って何?
ホームページを拝見したところ、それっぽい写真が見つかりました。
(詳細は551HORAIのサイトを参照)
どうやら551HORAIの工場は全ての操作盤に青いビニール袋をかぶせているらしく、これが混入した推察されます…。
これボタンもあるから必ずビニール越しに押す作業も発生するし、製造ラインのすぐ近くだし、これは欠損したらすぐ混入すること間違いないです。
正直リスク管理が甘いと言わざるを得ません。
通常製造の中で液がそこまで跳ねるとは思えませんので、洗浄時に飛び散った水で設備を壊さないために設置しているのではないでしょうか…
リスクは何か
万が一お客様が喫食したとしても健康被害があるようなリスクは無いと思われます。
ただ「異物」が混入しているという意味での回収は妥当ですし、不衛生なので食べたくはないと思います。
このビニールは食品を入れるための袋ではなく、機械を保護するための備品であって清掃なども十分にされていないものだと推察されます。
また欠損するほど放置されていたと考えられるとますますいつから放置されているのか…と心配です。
対策
食品製造業界のノウハウとして、樹脂片やビニール片は「とにかく混入させないことが大事」です。
このような樹脂片やビニール片の類は製品の形態になってしまった場合は検査機での発見はできません。
たとえば「金属片」などであれば「金属探知機」や「軟X線検査機」で発見が可能なケースもありますが、樹脂片やビニール片は検査機が無いのが現状です。
飲料など具が入っていない製品であれば「ろ過」をすることで異物を除去することも可能ですが、このような具がたくさん入っている商品ではそれもできません。
徹底的に混入防止に努める必要があります。
ろ過についてはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
以上のことから、まとめとしては
「ビニール片・樹脂片は混入させないことに全力をそそぐ!!」
ということになります。
しっかりこの事実が発覚した時点で「回収」という判断をする551蓬莱は信頼度が高いですね。
ぜひ次にサイトがリニューアルしたときに背景の設備に青いビニールがかかっていないことに期待したいと思います!!
今日は以上です。
さようなら。
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