おはようございます!シータケ@食品工場です。
今日は「ニュース解説」ということで、消費者庁のホームページに投稿されていた表題の件について解説していきます。 なんでこんな事故が起きるのか!?みなさんわからないですよね。
工場の最前線で仕事をしている立場から事情を解説させていただきますので、食品の製造について理解を深めていただければ幸いです。
回収の詳細(何が起きたか)
対象の商品
回収の理由
通常はこのような回収事故が起きた場合は「賞味期限」の印字を目安にロット番号を特定して回収することが多いのですが、一般消費者にとってはそもそも賞味期限の印字が欠落しているものがあったら返品してください、という事故になります。
流通業者にとってはこのキムチ自体もカートンにたくさん詰められて流通していて外箱のカートンには賞味期限があると思いますので、2024年9月13日賞味期限の印字があるカートンを回収している、ということかと思います。
原因推察
原因を考えるときに、「発生原因」と「流出原因」の切り口で考えることが一般的です。
「発生原因」はこのような場合、なぜ賞味期限の印字がない商品が発生してしまったのか
「流出原因」は、なぜ賞味期限がない商品に気づくことが出来ず出荷してしまったのか
という切り口で原因を洗い出し、対策を考えていきます。
発生原因について
発生原因は正直なところ詳細がわかりませんので推察になりますが、販売数量:7,932個に対してすべて回収するということから多発しており、「全ての商品で印字が欠落していた」という前提で考えると一般的には以下のようなパターンが考えられます。
・印字機の電源が入っていなかった
→「印字機の電源が入っていないと製造ラインを動かすことができない」などの対策が有効です。
・印字機が不調だった(フリーズしていた、インクが空だった、等)
→印字機の定期メンテナンスなどの仕組みを整えるような対策が有効です。
流出原因について
流出原因としては一般論になりますが、以下のような対策が取られていなかったため気付くことが出来ず出荷にまで至ってしまったと考えられます。
・賞味期限の印字の有無を検査するカメラがなかった
→商品全数の賞味期限印字を検査するカメラを設置するような対策が有効です。
(理想としては印字の有無だけではなく、印字の文字が正しいかまでカメラで照合する)
・(大量に発生している前提で)人の目による定期点検の仕組みがなかった
(あるいは賞味期限を確認する点検項目が欠落していた)
→ある一定の時間がたったら設備の状態や商品の状態(賞味期限含む)について抜き取りの点検を実施して問題がないことを確認するような仕組みの導入が対策として有効です。
まとめ
賞味期限や消費期限の印字は中身に異物や虫が入ったようなトラブルと比べて地味ですが、立派な法令違反です。
消費期限に関しては過ぎた場合健康危害が生じる可能性もあります。
お客様が適切な期間でおいしく召し上がっていただけるように、工場の仕組みを整えていただきたいですね。
今日は以上です!
みなさんさよなら~
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