【ニュース解説】ヤツレン「信州八ヶ岳はちみつヨーグルトドリンクタイプ」

ニュースの解説

おはようございます!シータケ@食品工場です。

今日は「ニュース解説」ということで、消費者庁のホームページに投稿されていた表題の件について解説していきます。 この事故はボトルのフタ付近でカビが発生した事故となっておりますが、この事故がどなぜおこるのか!?みなさんわからないですよね。

工場の最前線で仕事をしている立場から事情を解説させていただきますので、食品安全について理解を深めていただければ幸いです。

対象の商品

結構大手のスーパーで取り扱いがありますね!!

特にオーケーストアは私もよくいくので、心配ですね。

回収の理由

回収の理由:容器内部の上部に、カビの疑いのあるものが付着していたため。

ということで今回は「カビ」が生えていたことが直接的な回収の理由になります。

なんで「カビ」が生えるか?と気になると思います。

原因推察

以下の3点が予想されます。

容器の殺菌不良

中身のはちみつヨーグルトは十分に殺菌が出来ていたとしても、「容器」の中に微生物がまだ存在していることがあります。

たとえば、キリンエンジニアリングの飲料の製造フローによれば(リンク)、充填後に「転倒殺菌装置」なるものが存在しています。

これは、殺菌して高温の飲料を熱々のままボトルに充填し、「転倒」させることで容器の中やキャップに付着していた菌を殺菌させる、というものです。

この殺菌をやっていなかったり、容器に菌が付着していた場合は流通の過程でカビが発生することがあります。

殺菌不良の可能性

意図した殺菌条件ではなく、間違えて不十分な温度や時間管理で殺菌していた場合、菌が死に切らずこのように流通の過程で増殖してしまうことがあると考えられます。

あるいは、弁が壊れていて未殺菌の製品が殺菌後の工程に流れ出ていたりしても同様の事故が起こると推察されます。

耐熱カビの可能性

世のなかには極めて耐熱性の高い「耐熱カビ」という菌が存在します。

耐熱性カビは子嚢胞子などの耐久性組織を形成し75℃で30分の加熱にも生残する真菌のことで、真菌は低pH,低水分活性の条件でも生育できるため,果汁やジャムといった低温殺菌を施した酸性食品の変敗原因となります。耐熱性カビの汚染問題は缶詰製造技術が発明されてから解決されていない重要な課題となっています。(日本防菌防黴学会より リンク

特に農畜産物に含まれていることが多く、今回は「はちみつヨーグルト」なので「はちみつ」などにこの菌が存在していた場合、殺菌が出来ずに流通の過程でカビが発生する可能性も否定できません。

リスクは何か

カビは種類にもよりますが、マイコトキシンとよばれる毒素を産生する菌種もいて、その場合腎臓や肝臓に悪影響を及ぼすこともあります。

ちなみに「マイコ」はカビを、「トキシン」は毒を意味するので、「カビ毒」という意味です。

菌種によってマイコトキシンの化学構造はそれぞれ違いますが、人に害をなす毒素を作る菌はいろいろと存在することが知られています。

まとめ

食品の製造には様々なノウハウがあり、一つでも間違えればカビが生えたり微生物が増殖してしまいます。

回収して何事も問題がなければいいですが…。

食中毒になって人がつらい思いをしたり、高齢者の方に場合命にもかかわる可能性がありますよね。

ということで、安全安心な食品を選んでいきましょう。

本日は以上です。

さよならー

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