【ニュース解説】イオンで販売の粒マスタードにガラス片混入

ニュースの解説

おはようございます!シータケ@食品工場です。

今日は「ニュース解説」ということで、表題の件について解説していきます。 この事故はかの有名なイオンで販売している輸入マスタード「Clovis」というブランドの「Whole grain Mustard」にガラス片が混入した事故となっております。

今回は情報が少ないですが、推察も交えて説明していきます。

また、一般的に食品会社でガラス片が入らないようにどのような対策をしているのか解説していきます。

食品安全について理解を深めていただき、今後の食品の選定に繋げていただければ幸いです。

対象の商品

「Clovis」というブランドの「Whole grain Mustard」が対象の商品です。さすがイオンで取り扱いがあるだけあって、全国でかなりの数の回収になっていますね。

(詳細は消費者庁のリコール情報サイトを参照してください)
(ブランドサイトも発見しました。リンク
(Charbonneaux-Brabantというフランスの調味料会社のブランドの一つのようです)

商品名を直訳すると全粒のマスタードということで、いわゆる日本で「粒マスタード」と呼んでいる商品のことかと思います。

回収の理由

ガラス片の混入の可能性があることから、自主回収します」とのことです。

ガラス片は割れたものが混入していた場合、角が鋭利なため非常に危害性が高いといえます。

なぜガラス片が混入したか

これについては、2つの可能性があると考えています。

可能性1.原料に入っていた

原料を調べたところ、マスタードシード、醸造酢、食塩だけの原料でした。一般的に液体原料は製造工程でメッシュを通すことから、ガラス片が混入している可能性は低いと考えられます。また、食塩もその精製の過程でメッシュを通すことから、同様にガラス片混入の可能性は低そうです。

この原料の中でガラスが混入しているとしたら、「マスタードシード」が一番可能性が高そうです。

ただ、このようなシード類も枝とか葉っぱとか多種多様の夾雑物が大量に入っているところから、種だけを選別していく工程があるんですね。

なので、仮にガラス片が入っていたとしても選別の工程でガラス片は除去されると考えられますので、可能性は低そうですね…。

可能性2.製造工程で混入した

次に考えられるのがこの製品の製造工程でガラス片が混入した可能性です。こちらの方が可能性が高いように思えます。

具体的な例をあげると、たとえば、

「出来上がったマスタードを瓶に充填する工程で従業員が瓶をおとして割ってしまった。ガラスは割れたものの、そこまで遠くまで飛んでなさそうだったので近場の清掃だけ実施して製造を続けた。」

などのシチュエーションって一般的によくありそうですよね。これ完全にNGです。

その周辺に空のガラス容器があった場合は破片が入ってしまっている可能性があります。また、その周辺に仕込みのタンクがあったら、その仕込みタンクにガラスが入り込んでしまっている可能性もあります。

ガラスは想像よりも遠くまで破片が飛びます。

万が一ガラスを割ってしまった場合、容器や設備に混入の可能性があれば全て廃棄して工程をリセットしなければなりません。

ガラス容器の取り扱いはそれほどまでにリスクがあるのです。

ガラス混入予防対策

食品会社の一般的なガラス混入予防対策は以下の通りです。

ガラスを使わない(発生防止)

加工場でガラスを使うのはやめましょう。

・設備のカバーはガラスじゃなくてアクリル板などにしましょう。
・壁時計も割れにくい樹脂製のものにしましょう
・分析に使う器具もガラスは避けてステンレスやプラスチック製にしましょう。
などなど

仕方なくガラスを使う場合、対策をとりましょう(発生防止)

・飛散防止フィルムをはりましょう
・割れてないことを毎日チェック項目にいれましょう
・なくなってないことを因数管理しましょう
・問題がないことを定期的に点検しましょう

軟X線検査機で検査しよう(流出防止)

テストピースにガラスを用意して、万が一混入したときに気づけるように検査をしましょう。たとえば袋の製品や、樹脂ボトルなどであれば検出が可能かもしれません。

ただ、そもそもガラス容器の形態の場合は、厳しいかもしれません。

軟X線検査機は「密度」の違いを検出する装置ですので、ガラス容器に入ってるガラス片は検出できないのです…。

この場合、上述したような発生防止の対策を徹底的にやりこんでいく作戦になると思います。

安全なマスタードはあるのか

色々と調査しましたが、キユーピーはFSSC2200の認証を取得している上に、ガラスではなくチューブのマスタードを出していますので、こちらの商品は比較的安全と考えられます。

FSSC22000は「食品安全」に関わる認証です。この認証があれば安全な食品を製造できるという能力が外部調査機関により評価されておりますので、信頼性が高いです。

英検1級は英語が得意。
漢検1級は漢字が得意。
FSSC22000は食品安全のレベルが高い、と覚えておきましょう。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キユーピー あらびきマスタード 50g
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まとめ

以上の考察から、今回のマスタードのガラス片混入トラブルはあくまで推察にはなりますが「製造工程で混入した」可能性が高いのではないかと考えています。

ガラス片は口や消化管を傷つける可能性がありますので、該当のロットの製品が手元にある場合は無理せずイオンに返却するようによろしくお願いします。

本日は以上です。

さようなら!!

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